ゲームを作るために重要になってくるのが、「デバック」と呼ばれる仕事ではないでしょうか。
これまでゲームを作ったことがある人は、ゲーム制作におけるデバックの役割がどれだけ大きいのか、十分に承知していると思います。
ゲームのデバック作業はとても大変な作業ですが、同時にお金も大量にかかるのです。
そこでゲームデバックが、どのようなものかを紹介します。
ゲームデバッガーの仕事
ゲーム開発の現場では様々な人が仕事をしていますが、その中でも重要な役割を担っているのが、デバックの仕事です。
ゲーム業界のデバッガーは、主にソフトウェアをテストプレイ(検証)していき、その中からバグと呼ばれる「不具合」を見つけ出すのが主な仕事になります。
デバッガーによって発見されたバグがプログラマーによって修正されると、正しく修正されたのかを、もう一度確認していきます。
このような作業を繰り返して行うことで、ソフトウェアはもちろんサービス全体の品質を高めていくのです。
ゲームの案が出されて、そのゲームの開発がスタートすると、それぞれの職種の担当者が企画者が提案した設計書に沿って、シナリオやサウンド、グラフィックなどを各パート毎に作成していきます。
プログラマーたちは、そのようにして仕上げられたたくさんの素材を統合させていき、ゲームを動かせる段階になるアルファ版と呼ばれる状態まで作成します。
この状態では、ゲームはまだ完成ではありません。
ここからがデバッガーの出番になり、アルファ版と仕様書を受け取ったデバッガーは、プログラムに何かしらの異常がないかを、仕様書と照らし合わせながら確認していくのです。
このときに渡された仕様書に記載されていないものについては開発者に問い合わせをして、その時に一緒にバグや問題点なども伝えます。
そして報告されたバグについては、プログラマーがひとつひとつを修正しながら、今度はベータ版と呼ばれる状態のものを作り上げます。
ベータ版も同じように調査を続けていき、バグを見つけたら修正するのを繰り返します。
最終的に、マスター版という完成品になってから、販売をすることになるのです。
デバッガーの仕事はこれで終わりではなく、ゲームが発売された後も作業は続いていきます。
デバッガーはゲーム発売後も継続してデバッグを行い、現在ではネットワークを使って、ゲームのアップデートを頻繁に行っています。
そのためゲームの開発中に発見できなかったバグについては、そこで修正パッチというものを作成してユーザーに配ります。
またゲームを少しでも長く楽しめるように、様々な追加コンテンツを出すこともあります。
そこでは開発から携わってきたデバッガーの経験が大きく影響してくるなど、ゲーム開発にとってデバッガーの存在は非常に大きいものと言えるでしょう。
ゲームデバッグバイトの魅力
ゲームデバックは、QAと呼ばれる専門の人もいますが、会社によってはバイトに任せるところもあるようです。
ゲームデバッグのバイト経験がある方も、いるかと思います。
デバッガーの仕事はとても大変な作業ではありますが、以下のようにいくつかの魅力もあります。
◆リリース前のゲームを楽しめる
ゲーム好きの中には、「自分の好きなゲームを誰よりも早くプレイしてみたい」という人もいるのではないでしょうか。
このように誰よりも早く、新しいゲームをプレイできるというのが、ゲームデバッガーの魅力でもあります。
新しいタイプのゲームとしては、携帯アプリになると「プレイするときに課金しなくても大丈夫」、「時間をかけてプレイをしないとゲットできないアイテムも自由に使える」、「隠れたヒット作に出会えるかもしれないワクワク感がある」など、嬉しいこともあるようです。
他にも「ゲーム開発の過程に参加できるのが非常に嬉しい」、「人気のゲームをいち早くできるのが良い」、「ゲームを早くプレイできるので優越感に浸れる」など、ゲームデバッガーのバイトをしている人は、仕事自体を楽しいと感じているようです。
ゲームデバッガーは発売前のゲームに触れられますので、少し得した気分になれるのかもしれません。
バグのチェックではありますが、ゲーム開発に携われるのが、ゲームデバッガーの魅力のひとつではないかと思います。
ただし、販売前のゲームをプレイするわけですので、決して口外してはいけないという契約を結ばされます。
仮にSNSなどでバラすようなことがあれば大変な問題になるため、口の軽い人には向いていないでしょう。
◆自分の仕事がリリースされるゲームに反映される
ゲームデバッガーは、ゲームのバグを見つける仕事ですので、それがリリースされるゲームに反映されることがあります。
QAと同じように、ゲームデバッグのアルバイトも同じような仕事を行います。
ゲーマーはもちろん、新しいゲームに興味がある人たちが楽しくプレイできるように、事前の製品チェックが大きな業界です。
そのためこの仕事を行うことで、ゲーム自体の品質が向上するなど、デバッガーの仕事がたくさんの人の楽しみを生み出していくことになります。
自分が実際に行った仕事が、世の中のゲームファンの役に立つという点では、非常にやりがいを感じる人も多いのではないかと思います。
◆自分が見つけたバグなどが認められる
ゲームデバッガーは毎日多くのゲームをチェックして、バグがないかを確認しています。
そしてバグが見つかるとそれをプログラマーに報告し、改善案が認められると対象のゲームに生かされるようになります。
このように自分が見つけたバグや改善案が認められる瞬間の達成感を、嬉しいと感じている人もいるようです。
「自分が提出した報告書を元にバグを修正してもらえると凄く感動します」、「改善案が認められた瞬間が最高です」と言う人もたくさんいるのです。
◆見たことのない面白いバグに出会えることがある
ゲームファンにとって、これまで見たことのないバグを見つけた瞬間は、嬉しさを感じる人もいるのではないかと思います。
ゲームのバグについてはテレビ番組などで特集されたり、ゲーム雑誌でも特集が組まれたりすることもしばしばあります。
ゲームファンにとって面白いバグの発見が嬉しいように、ゲームデバッガーも同じように感じているのです。
「今まで見たことのない変なバグを見つけることができた」、「バグってデバッガーにしか味わえないものです」という人もいます。
QAエンジニア
ゲーム業界には、バグを見つける仕事をしているデバッガーのバイトの他に、QAエンジニアと呼ばれる人もいます。
QAというのは「Quality Assurance」の略語で、日本語では「品質保証」という意味になります。
ゲームの開発をするときに、ゲーム自体が正しく稼働しているか、バグがないか、ゲームがクオリティを満たしているかなど様々な点について検証をする仕事です。
デバッガーのバイトと同じように、リリース前のゲームを一度プレイして、バグがないか仕様書通りに動作しているかのチェックや、ケーブルを抜き差しするテストなど、仕事の内容にも様々なものがあります。
ゲームのテストと言うとバグを発見する仕事だけと思われがちです。
もちろんバイトと同じようにバグの発見は大切ですが、それはあくまでも過程の段階であって、最終的にはゲームが正しく稼働するのかを確認して、その上で品質や面白さを保証するのが最終的な仕事になります。
QAエンジニアの仕事抜きでは、どんなに設計書が優れたゲームであっても、世の中で評価されることはないのです。
ゲームデバックの仕事はとても大変な作業であり、QAエンジニアなどの経費も莫大に掛かります。
しかし、どんなに優れたゲームであっても、ゲームデバッガーがいないと、リリースされることはありません。
プログラマーも大切ですが、それ以上にゲームデバッガーの仕事も重要だということです。