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プログラミング

2019.08.10 Sat.
小学校でプログラミング教育が始まるの勘違い

小学校でプログラミング教育が始まるの勘違い

インターネットの普及など、世の中ではパソコンやスマホなどのコンピューターを利用する人が増えていることから、仕事などでも活躍する場面が増えてきています。
そのような事情もあり、全国の小学校でもプログラミング教育が必修化される、というニュースが流れました。
2020年度から小学校でもプログラミングの授業がスタートするのですが、そこには勘違いされるような内容も含まれているようです。
プログラミング教育の必修化を正しく理解するためにも、その内容をきちんと知っておく必要があります。

 

プログラミング教育の必修化

プログラミング教育必修化というものは、どういった目的で行われることになるのでしょうか?
今回から始まる小学校のプログラミング教育の必修化ですが、最初に押さえておきたいことは、国語や算数などのように、プログラミングという教科が新たに加わるわけではない、ということです。

 

あくまでも「既存の教科の枠組みの中でプログラミング教育を行う」というものであり、平成30年3月に文部科学省から学校教員や教育委員会へ出された、「小学校プログラミング教育の手引き」の中に詳しい規定があります。

例えば算数の授業において、正三角形や正六角形といった図をプログラミングするなどの事例が挙げられています。
プログラミングの必修化によって、既存の教科や内容の中に新たにプログラミングを使ったものを入れていくのです。

 

プログラミング教育必修化のカリキュラムや授業内容

プログラミング教育必修化と聞いて、実際にどのようなカリキュラムや授業内容になるのか、心配になった人もいるのではないでしょうか。

日本では初めて行われることですので、親御さんにとっては不安に感じることもあるでしょう。

この教育で実際に行われる内容とは、一体どのようなものでしょう?

 

具体的な授業内容については、現在各学校や関係機関が、教える教科内容の作成や調整を行っています。
ただ平成30年3月の手引き書の中では、教科としては算数の他にも次の規定が含まれます。

 

◆理科

電気の性質「照明を効率的に使用するにはどうするべきか」

◆音楽

音楽づくり「様々なリズムを組み合わせて音楽を作る」

◆総合的な学習の時間

「情報についての研究、プレゼンテーション」

◆部活動等への応用

 

以上のような理由がありますので、実際に行われることになる2020年に向けて、今後は授業案の数が増加していくと思われます。
そしてそれぞれの案を具体化していくことになります。

 

プログラミング教育必修化の目的

今回のプログラミング教育必修化については、その目的も気になる点ではないかと思われます。
プログラミング教育の目的ですが、それについては平成30年の手引きに記載がされています。
それによると、次の3つが挙げられています。

具体的には「プログラミング的思考の育成」、「プログラムの働きに気づいて応用すること、あるいはその態度を育成する」、「各教科の学びを確実にする」です。

 

この中でも重要なのが、今後ますます話題になっていくと言われ、大きなキーワードでもある「プログラミング的思考」です。
このプログラミング的思考とは、プログラム言語そのものではなく、プログラムを作成する際に必要な「物事を論理的に考えていく力」のことを意味しています。

必要な動きを分けて考え、動きに対応して命令し、それらを組み合わせることを繰り返すことになります。

 

新たに「プログラミング」という教科が作られるわけではない

今回のプログラミング教育の必修化によって、国語や算数、理科などのように「プログラミング」という新たな教科が作られる、と思っている人もたくさんいると思います。

 

しかし、プログラミング教育が必修化されたからと言って、新たにプログラミングという教科が作られるわけではありません。

そのため国語や算数のような教科書もなければ、テストによって評価されるようなこともないのです。プログラミング教育必修化に伴うプログラミング教育は、国語や算数、学習時間など既に行われている教科の中に入ってくるものです。

 

そういう背景もあって、どの学年のどの教科や単元で、またどれくらいの時間を使って行うかなど、具体的なものは特にありません。

 

授業内容については、それぞれの学校や先生が判断して決めることになります。

 

プログラミング言語の使い方を覚えるのではない

プログラミング教育必修化の2つ目の誤解が、「プログラミング言語の習得」です。
言葉だけを見て、プログラミングについて本格的に勉強するものだ、と思っている人もたくさんいるようです。
同じように考えてしまう人もいるかもしれませんが、実際は大きく異なります。

 

プログラミングの必修化にあたり、小学校のプログラミング教育ではプログラミングについて詳しく教えることはありません。
つまりは将来活躍する、プログラマーの育成を目的にはしていないのです。

 

もちろんプログラミング言語も大切ですが、小学生の段階で実施されるプログラミング教育では、プログラミング言語の使い方を覚えることではなく、文部科学省では「プログラミング教育を通じて育成すべき資質や能力」を、「プログラミング的思考」という言葉で表現しているだけです。

 

この部分では、「プログラミング的思考」が重要になります。

 

プログラミング的思考というのは、例えば物事にはそれぞれ手順があり、正しい順序を踏むことで物事を上手く解決できるようになる、論理的に考えていく力のことを指しています。

最近は人工知能の発達などの影響もあることから、現在の子供は未来の理想像を描きにくくなっていると言われています。
これから先のことをしっかり考える力、それがプログラミング的思考というものになり、これからの社会を生き抜くためには、時代を超えた考え方が求められるようになるのです。

 

パソコンやタブレットを使って勉強するわけではない

プログラミング教育必修化の3つ目の誤解が、パソコンやタブレットなどを使用しての授業です。
プログラミング教育必修化と聞けば、小学校でもパソコンなどを利用して授業を行うのだ、と勘違いしている人がいます。
小学校で行うプログラミング教育としては、パソコンやタブレットなどを使用した授業もあるかもしれませんが、それとは逆にこういった物を一切使用しないプログラミング教育も可能なのです。

 

プログラミング的思考を養う方法としては、「アンプラグド」という電力を用いない楽器で演奏される音楽などがあります。
アンプラグドは専用のツールもありますが、そうではなく紙と鉛筆を用いたり体を動かしたりして、プログラミング的思考を養成する方法です。

全国にある学校の中には、一足早くプログラミング教育を実施しているところもあり、その中には小学1年生の算数でアンプラグドを用いた授業を行っているところもあります。

 

具体的には、プログラミングの考え方のひとつである「パターン」や「ループ」というものを用いて、単元の理解を深めているのです。

 

2020年度からスタートする全国の小学校のプログラミング教育必修化に伴い、小学校や家庭では様々な準備を行っているものと思われます。
ただプログラミング教育の必修化には、いくつか誤解されやすい内容も含まれていますので注意が必要です。
非常に重要な点も多いので、もう一度その内容を確認しておきましょう。

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