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ゲームのお仕事

2020.01.21 Tue.
ゲーム業界プロフェッショナルからのメッセージ

ゲーム業界プロフェッショナルからのメッセージ

ゲーム業界プロフェッショナル プロフィール

𥱋瀨 洋平

ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社 プロダクト・エヴァンジェリスト
東京大学先端科学技術研究センター 客員研究員

電気通信大学電気通信学部所属時代から日本コンピューターシステムメサイヤ事業部、株式会社キャリアソフト、株式会社コーエーネットなどでキャリアを積み、ソニー・コンピューター・エンタテインメント、アトラス、株式会社ゲームリパブリック、株式会社サイバーコネクトツーなどでゲームデザイナ/シナリオライタとしてゲーム制作に携わる。
主なプロジェクトは「ラングリッサー」「グローランサー」「ワンダと巨像」「Folks Soul 失われた伝承」など。代表作は「魔人と失われた王国」
2012年よりスクウェア・エニックスでリサーチャーに転進、現在はユニティ・テクノロジーズジャパンで学術・教育方面を担当しつつ研究者として活動。 2017年 Unlimited Corridorで文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞受賞

 

■ゲームクリエイター専攻で、高校生たちのプロ育成を支援することについて、どう思いますか?

かつては多くの基礎を積み重ね、プログラムなども学んでようやくゲームを作ることができましたが、現在は小学生でもゲームとして形になったものを世に出し、多くの人に遊んでもらうことができます。
ゲーム開発を始めるのが早ければ早いほど、何を勉強するべきか気づくことができ学業にも力が入ると思います。

 

■初心者でもUnityは扱えますか?また、上手になれるでしょうか?

誰もが最初は初心者ですからまずやってみましょう。頭の中には作りたい壮大な目標があるかもしれませんが、まずは自分ができることだけで作れるゲームを完成させてみるというのが大切です。

 

■Unityを学習することで、将来どのようなことが期待できますか?

ゲーム開発はもちろん、Unityはメディアアート、映像作品、建築、医療、自動車産業、宇宙開発などあらゆる産業分野で使われていますので、広く活躍の場が得られると思います。

 

■プログラミングスキル必須の時代が来ると言われています。どんなことを学習しておくべきでしょうか。

全員がプログラミングができる社会が来ると、プログラミングがある程度できるだけでは長所になりません。まず興味のある分野を広げていくこと、次にやりたいことを実現するための手段を追求していくことが大切です。まずは目についた面白いと思うものをどんどん学んでおくべきと思います。

 

 

■業界ではどんな人材を求め、どんなスキルを必要としていますか?

技術にはトレンドがあり、どうしても流行り廃りが出てきますが、根本的には将来実現するべきビジョンを持つこと、それを実現するために何が必要でどんな問題があり、どのように解決するかを考えること、そして実際に解決する事などが常に求められています。また、どういったところに行きたいかによって細かなスキルは大きく変わってきますので、実際に開発者が発信している場(Unite、CEDEC、GDCなど)でどういった話がされているかをキャッチアップしていきましょう。

 

■ゲーム業界の就職率・競争率はどのくらいですか?

全体としての数字がないためわかりませんが、大手メーカーなどでは時に数百倍という倍率になることもあります。ただ、それはあくまで新卒採用というレールに乗った場合の話です。時に優秀な方は学生時代から頭角を表し、多くの企業からスカウトされることがあります。ぜひそういった人材を目指してください。 

 

■Unityの学習によって就職の幅は広がりますか?またそれは具体的にどんな業種がありますか?

前述したようにUnityはメディアアート、映像作品、建築、医療、自動車産業、宇宙開発などあらゆる産業分野で使われていますので、それらの開発に携わるエンジニアというのがまずあります。また、企画をする場合でも技術がわかる、実際にプロトタイピングができるかどうかで活躍の場は大きく広がります。グラフィックなどを作るアーティストやデザイナーも現場で実際にUnityを使うことが増えていますので、ただUnityを使えるというだけでなくそれを使って何ができるかの方が重視されます。

 

■ゲーム関係の職種を希望する人は、職業別で言うと全国的に何位ぐらいですか?
また、希望者は年々増加傾向にあるのでしょうか?

数字がないのでわかりませんが、例えばベネッセの2018年の集計によるとゲームクリエイターは男子が将来なりたい職業の5位に位置しており、人気の職業と言えます。

 

■G学院で今後どのようなことをやってほしいですか?ご希望があれば是非、教えてください。

実際に個人やチームでゲーム開発をし、様々なところに発信していって欲しいと思います。たくさんゲームを作り、多くの人にプレイしてもらうことが一番の勉強になります。

 

 

■Unity中心の教育をするにあたって、G学院に期待することは何でしょうか?

現在は独学でもゲーム開発を学ぶことができてしまいますが、一人で勉強をしていると何かに詰まった時に挫折してしまうことが多くあります。そういった時に助けてくれる人が常にいる、そして同じような目標と悩みを持った仲間がいる物作りの場であって欲しいと思います。

 

■「Unityを学んで良かった!」と思うことは、どんなところですか?

私はエンジニアではなくゲームデザイナーとして仕事をしてきましたが、Unityを学んだことで自分でゲームのプロトタイプを作ることが出来るようになりました。それによって一人で出来る活動の幅が広がり、様々な研究に繋がっています。

 

■子どもたちに求めるゲーム業界の未来について語ってください。

ゲームは興味を引き、楽しく遊ばせ、それを継続するためのモチベーションを保たせる技術の集大成です。それらの技術を他の産業に応用していくことで、ゲームの可能性はどんどん広がっていきます。多くの人がモチベーションを保ち、様々なことにチャレンジし、継続していくための社会づくりにゲームの知見が役立つといつも思っています。

 

■簗瀨さんにとって「ゲーム」とは?

ゲームとは常にプレイヤーである自分を励まし、褒めてくれる先生のような存在です。

 

■最後に、業界を目指す未来のクリエイターへ、一言お願いします!

ゲーム開発を学ぶのに何より大切なのはまず作ること、そしてそれを遊んでもらうことです。Unityはそのための手段の一つに過ぎませんが、学んだ人の可能性を広げてくれるツールです。ぜひ、Unityを踏み台に様々なところに飛んでいって欲しいと思います。

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