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2019.10.14 Mon.
ゲーム上での大量虐殺や伝染病の蔓延などの怖い話

ゲーム上での大量虐殺や伝染病の蔓延などの怖い話

今、世界的に人気のオンラインゲームですが、このゲームでは不特定多数のプレイヤーが参加することもあって、場合によっては様々な事件へと発展することがあるようです。
【WoW】穢れた血事件や、【MoE】血のバレンタイン事件など、モラルが失われたことによって世界中を危険に陥れたという話は有名です。
ゲーム上での大量虐殺や伝染病の蔓延などの怖い話を紹介したいと思います。

【WoW】穢れた血事件

オンラインゲームなど、ゲーム上で大量虐殺が行われたり、伝染病といった怖い話はいくつかありますが、WoW(ワールドオブウォークラフト)という世界的に有名なゲーム内で起きた穢れた血事件という話が知られていますので、聞いたことがある人もいるかもしれません。

 

穢れた血の感染によって多くの死体が転がる光景に、思わず目を取られた人もいると思います。レイドボスの「血神ハッカル」は、穢れた血と言われる「Corrupted Blood」のスキルを持っています。このスキルは「10秒間、毎秒200ダメージを与える」、「近くのキャラクターにも感染して解除不能」にするという恐ろしいものです。

 

このような迫力満点のゲームに挑戦するプレイヤーの多くは体力が6,000前後と言われており、ほとんどが30%くらいのダメージを受けるとされています。鍛えられたプレイヤーであれば、十分に対応できるレベルでもあり、そのスキルはボスがいるダンジョン限定の効果だったことから、ダンジョンを出ることで解除される予定でした。

 

しかしそこから感染が始まり、次第に拡大していった事件です。
こちらのゲームには、特定のクラスだけが使役することができる、ペットが存在しています。ペットは各自のタイミングによって召喚や召喚の解除が可能なのですが、実はそこに大きな落とし穴があったのです。

 

実際に召喚したペットが穢れた血を受けて、効果のあるときに召喚を解除すると、その効果がペットに残ったままになります。
これはつまり、ダンジョンの外でもう一度ペットを召喚してしまうと、穢れた血の効果によって外部にダンジョン持ち出すことができるようになってしまう、ということを意味しているのです。これがバグというか大きなきっかけになり、次第に大きな事件へと発展していくことになります。

 

故意に引き起こされたのか、または偶然なのかは分かりませんが、穢れた血はプレイヤーがたくさんいる大都市に持ち込まれることになりました。穢れた血はたった10秒間しか効果はなく、プレイヤーがたくさんいる大都市は次々に感染が拡大していくことになります。

 

さらに「NPC扱いのペットへも感染する」ことから、町にいるNPCも同じように感染していきますが、NPC自体は自動的に体力が回復する仕組みがあったので、死に至ることはなかったのです。ただ死なない感染源としての力を持っていたことから、穢れた血を大きく広めることになってしまいました。穢れた血というのは、ハイレベルプレイヤーにとっては何とか解決できるダメージでしたが、まだスタートしたばかりの初心者には、それが甚大なダメージに繋がっていくことになります。

 

たとえ復活してもその効果が広がってしまい、「穢れた血での死→復活→復活した地点で再度穢れた血に感染→死」といった無限ループになることも少なくありませんでした。

 

WoWの対応

WoWで起きた穢れた血事件によって、たくさんのプレイヤーが影響を受けることになりましたが、このとき運営側はどのような対応をしたのでしょうか?

 

WoWは高い人気を誇っていて、プレイヤーも世界中に大勢いたことから、運営側はサーバーの停止つまりはゲームのプレイができないようにすることを回避しました。その措置として、ロウレベルのプレイヤーは他の町に避難させ、感染源になったハイレベルプレイヤーは移動しない、という対策を講じました。これによって自然沈下を目指したのです。

 

しかし運営側の対策とは裏腹に、「混乱によってその指示に従わないプレイヤー」、「事件を面白がって避難した町にも穢れた血を持ち込む」など、テロ行為なども行われました。心無いプレイヤーのそういった行動が増えたこともあり、ゲームは完全に収拾がつかない状態になりました。

 

そのため運営側は、やむなくサーバーを停止することにまで追い込まれ、ゲームのバグを修正することになります。【WoW】穢れた血事件はこれで終わったかのように見えましたが、実はそうではなかったのです。ゲームの感染が、現実で起こっている伝染病とよく似ていることもあって、ニュースや論文までその話題が広がっていくことになります。

 

実際に「ゲーム内で起こった伝染病の蔓延」ということで、海外のニュースなども大々的に取り上げられました。感染の状況やプレイヤーの行動が現実の伝染病と似ていることから、研究論文の対象までに発展していきます。感染症というと鳥インフルエンザもありますが、そのような動物を感染源として人々に感染していき、さらには大都市でパンデミック状態に発展するなど、ゲームではあるのですが、とても優れたサンプルとも言われています。

 

プレイヤーの中には感染者を回復させようとしたり、自分の死を悟って感染者同士で寄りそったりなど、実際のパンデミックのような行動をする人も少なくありませんでした。そのようなことも起きたことから、行動心理学の世界からも注目されたのです。

【MoE】血のバレンタイン事件

ゲーム上での大量虐殺や伝染病の蔓延などの怖い話としては、次の【MoE】血のバレンタイン事件も忘れてはいけません。
これはMoE(マスターオブエピック)と呼ばれる、MMORPGで起きた事件になります。

 

事件が発生したのは2005年2月14日で、運営サイドはその日に「オリアクスとルーチェの(恋のドキ☆ドキ Attack!~)バレンタイン大作戦~」というイベントを開催しました。こちらのイベントの内容は、「非戦闘地帯プレイヤーが、戦闘地帯プレイヤーに愛を伝えよう」というものです。

 

そのため普段は非戦闘地帯で生活している生産職系のプレイヤーは、チョコレート生産に必要なアイテムをたくさん持っていましたので、戦闘のための武器などほとんど持っていませんでした。そこではチョコレート作りや合コンのようなことを行っていたのですが、運営側の指示によって戦闘地帯のプレイヤーがイベント会場を襲撃します。たった1時間で、非戦闘地帯のプレイヤーのほぼ全てが虐殺されたのです。「せっかく愛を伝えたのにみんな殺された」という状態に大きなショックを受けた非戦闘地帯プレイヤーは、これを機に大量に引退することになりました。

 

これによって、MoEのプレイヤーの数が大きく減少してしまいます。このようにして事件は起こりましたが、そもそも運営サイドは何をしたかったのか、結局の目的は解かりませんでした。本来であれば、イベント中の戦闘をすべきではなく、最初から禁止をしなければなりません。

 

実際には「非戦闘地帯VS戦闘地帯」という、大規模な戦闘を計画していた、とも言われています。それであれば不幸にも襲われてしまったプレイヤーは、まだ納得がいくかもしれません。しかし、そのように運営サイドが率先して虐殺を先導するようなゲーム内容にすることは、あまり良いとは言えないでしょう。

 

オンラインゲームは、時として事件に発展することがあります。

 

【WoW】穢れた血事件や、【MoE】血のバレンタイン事件は、どれもゲーム上での大量虐殺や伝染病の蔓延などの怖い話のひとつです。他にも色々とありますが、せっかくゲームをするのであれば、もっと楽しくしたいというプレイヤーは多いはずです。

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