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2019.10.12 Sat.
最近良く聞く「ディープラーニング」って何

最近良く聞く「ディープラーニング」って何

AIの基礎知識を学習するために重要になるキーワードは、ディープラーニングです。
最近ではAI、機械学習、ディープラーニングの用語が区別されていないため、知らないうちにAIを使用している人も増え続けています。
そこでAIを学習する際に、とても重要と言えるディープラーニングについて紹介したいと思います。

ディープランニングとは

ディープランニングとは、多層のニューラルネットワークによる機械学習の一種と言われています。これは、機械がデータを基にして、自分で学習する能力を持つことを実現させられる技術のことです。

 

ニューラルとは、人間の脳の中の神経細胞のことを指しています。つまりニューラルネットワークは人間の脳神経の回路の働きを真似したアルゴリズムになるため、このような名前で呼ばれています。

 

そしてこのニューラルネットワークは、決められたパターンに特化して設計されていますので、現在AIの中でも最も注目を集めている学習方法なのです。よく間違えられていることですが、ディープランニングがAIということではありません。

 

あくまで、AI(人口知能)の技術のひとつがディープランニングです。

ディープランニングで可能なこと

ディープランニングは、音声認識、画像認識、自然言語処理などで、人間を上回るレベルの結果を出せることが特徴です。

 

こういったことが人間よりも上回っていると言うことは、人間には識別することが難しくても、認識できることを意味していますので、ディープランニングが重要だということが解かります。音声認識とは、音声を認識させる技術のことです。人の声を機械が認識してテキストにしたり、音声の特徴をとらえて声を出している人を判別することができます。

 

画像認識とは、画像や動画を入力すると文字や顔などの特徴を認識することができます。そこから背景の特徴をとらえて、マッチングや変換をして目的にしている特徴を調べることができます。

 

自然言語処理とは、我々人間が普段使っている言葉を、コンピュータで処理して理解させる技術です。

 

ディープラーニングの仕組み

ニューラルネットワークの構造は、ネットワークを介して入力層、隠れ層、出力層の3種類の神経細胞に相当するノードが、繋がり合っている姿をしています。

 

例えば、画像に写っている動物が何なのかを判断するニューラルネットワークがあったとき、まず入力層から画像データを受け取って、結果として出力層に送られるようになり、どのような動物なのかを認識しています。そして入力層と出力層の間を、様々な経路で繋いでいるのが隠れ層です。

 

隠れ層では重みという要素が加えられて、ある性質が最終的な判定にどのくらい重要なのかということを判断しています。

 

そしてこの重みは、データを使ってニューラルネットワークで訓練を続けていると、経路と重みが自然と変化をして、最終的に正しい結果が得られるようなネットワークができるようになるのです。

 

ディープラーニングの名前の由来

ディープラーニングは、入力層、隠れ層、出力層の中でも、隠れ層がいくつも積み重なって、出力層が非常に深い位置にあるニューラルネットワークが使用されています。

 

「ディープ=深層」と「ラーニング=学習」を組み合わせて、ディープラーニングと呼ばれています。

 

この隠れ層を増やしていくほど、複雑な判断ができるようになります。ひと昔前までは不可能でしたが、近年ではコンピュータの能力が上がったことにより、この隠れ層が複雑に進化している物まで登場して、大変多くの量の計算が短い時間で行えるようになりました。そして今では、隠れ層が100を大きく超えるほどのニューラルネットワークを活用しているAIまで登場するなど、現在の第3次AIブームを引っ張っていく技術となっています。

 

FNNとRNN

ニューラルネットワークは、どのような構造を持っているのか、その中でどのようなデータの処理が行われているのかによって、種類が細かく分けられています。

 

ディープラーニングが使っている技術は、ディープ・ニューラルネットワークですが、隠れ層自体が存在しないか、数層しかないようなニューラルネットワークもたくさんあります。そのためディープラーニングで使用されるネットワークを理解するためにも、FNNとRNNの2種類について知っておきましょう。

 

FNNは、フィードフォワード・ニューラルネットワークの略になり、順伝播型ニューラルネットワークと訳されます。FNNでは、データがネットワークを構成する層の間を、入力層から出力層への片道一方向にしか流れないのが特徴です。

 

一方でRNNは、リカレント・ニューラルネットワークの略になり、再帰型ニューラルネットワークと訳されます。再帰という言葉が入っていることから、このニューラルネットワークは、隠れ層での処理が繰り返し行われるという特徴があります。何故処理を繰り返すのかは、分析する物のデータが時系列の性質を持つというケースや、データの大きさが一定ではなくバラバラというケースを扱えるようにするためです。

 

ディープラーニングには、それぞれが持つ構造や性質によって、扱える問題や得意とする分野が違います。それを実現するためのニューラルネットワークが、いくつか存在しているのです。そのためAIに何をさせたいのか、それに向けてどのようなデータを処理させる必要があるのか、などをしっかりと考えておく必要があるのです。

 

ただしAIの開発者や研究者以外の人が、必ずしも詳しい知識を持つ必要はありません。

現在世の中で提案されているディープラーニングの技術が、具体的にどのような処理で判断を行うのか、と言うことに関心を持つことで、目標までの道のりを縮めることができるでしょう。

 

ディープラーニングのブラックボックス問題

ディープラーニングを考えたときに、ブラックボックス問題についても理解をしておく必要があります。

 

この問題は、インプットをしたときに何らかの判断をするためのAIをディープラーニングで実現したときに、何故その判断に至ったのかが、人間には説明できなくなる問題のことです。

 

テストをしても、結果が出された理由が解からないことから、これをブラックボックス化された状態にあるという意味で、ブラックボックス問題と呼ぶようになりました。アイスの販売を予測することを例にすると、アイスを売るお店の過去の売上のデータ、周辺の気温のデータ、かかった広告費のデータから、アイスの売上を調べるAIがあったとします。

 

通常の考え方であれば、気温と広告費、アイスの売上の間にある関係に注目して、3つの数値の間を結んでいる計算式から結論を出していると思われます。

 

しかしディープラーニングを使用すると、この3つの要素をどのような関係として考えているのか、気温データ、広告費データの重要性はどれくらいにしたのかなど、ネットワークをしっかり読み解かなければ理解できない可能性があるのです。

 

何故AIがそう考えたのか、ということを説明することができない、という欠点があるのです。極端な話では、導き出したロジックが解からなくても、結果が正しければ問題にならないかもしれません。

 

近年では、AIが使われる範囲は大きく広がっていて、司法などにおける重要な判断にも使われるケースがあると言われています。

 

人間の一生を左右するような重要な判断のときに、何故この結論が出されたのかを明確に説明できなければ、それに関係する人から納得されなかったり、最悪の場合は誤審という悲しい結末になる可能性もあるのです。

 

ディープラーニングの未来

ディープランニングは、今まで機械学習では処理できなかった、複雑なデータを扱うことができるのがメリットです。
これによって、例えば人間が行っていた業務の一部を機械に置き換えてみると、業務を効率化できるというメリットも得られます。

 

最終的には技術自体が一般化されて、誰もがディープラーニングが使えるようになると、データの活用次第で新しいシステムが生み出されていきます。

 

今後は、社会の仕組み自体が変えられるような技術になることも期待されているのです。

 

ディープラーニングについて紹介をしました。
AIを学習するためには外すことができない、とても重要な技術としてディープラーニングはありますので、このキーワードだけは覚えておくことが大切です。
ディープラーニングの技術は常に進化を続けていますので、これから技術者などになりたい人にとって、とても重要なものになると思われます。

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