2012年5月に、社会問題として大きく取り上げられた「コンプガチャ騒動」という話を、聞いたことはないでしょうか。
子供たちが携帯のゲームにハマり、有料サービスをたくさん利用してしまったことが原因で、保護者に多額の請求が来るという事態が、頻繁に発生した事件の名称です。
ゲームアプリを気軽にダウンロードして、アイテムを課金することで起きる可能性がある、無料ゲームの高額請求の仕組みについて紹介したいと思います。
基本無料ゲームは危険
従来からあったゲームソフトというのは、ソフト本体を一度購入してしまえば、ゲームクリアとなる最後まで遊ぶことができました。
ただし購入する側はお金を払って遊んでみなければ、どんなゲームなのかは解からないという仕組みでもありました。
そういったゲームに対して、今の「基本無料」と呼ばれるスマホのゲームは、ゲームを始めるためにソフト本体を購入する必要がありません。そのため誰でも無料で気軽に始められる、といったメリットがあります。
特に、子供のような未成年の方であっても、初期投資を気にすることなく、気軽に手を出せる点が大きな特徴です。この誰でも簡単に始められる、という「始めやすさ」が、基本無料ゲームに接する機会を増加させた原因のひとつと言われています。
気軽に始められるからこそ、このくらいならいいかという気安さが、高額な課金の相談件数の増加に繋がっていると言えるでしょう。
しかし無料で始められるゲームは、一体どのようにして利益を上げているのでしょうか?
ゲームを作る会社は、利益が上げられなければサービスを続けることはできませんので、気になっている人もいると思います。
利益の上げ方はゲームによって様々ですが、一般的に多く採用されている方法としては、よりゲームを楽しむための追加機能や、ゲームをもっと楽しむために有料アイテムを販売する、という形で利益を取っています。
この方法は、「アイテム課金」とも呼ばれています。
課金の仕組みについて知っておこう
具体的な課金の仕組みについてですが、ゲームをする側は「無料だからやってみよう」と気軽に始められます。
実際にゲームをやってみると、序盤から中盤にかけてはそれなりに面白くて、ストレスなく楽しむことができるでしょう。
ただ慣れてきた中盤以降になると、もっと難しいゲームをやってみたい、アイテムを使ってレベルアップしたゲームを楽しみたい、と思うようになります。
例えると、ゲームを進めていくと強い敵が出てきて無料では倒せないので、アイテムを購入しなければならない、といったケースです。
そうなってくると、課金しなければゲームを楽しむことができません。
ゲームを販売する側は、こういったゲームを楽しむ側の心理を利用して、有料アイテムを使わせるようにするのです。
実際に有料のアイテムを使うことで、無料アイテムだけでは倒せなかった敵を倒すことができると、あともう一回だけ使って倒したいと思うようになります。
他にもアイテムを集めることで、より強くなれるなど、コレクション性の高いゲームは特に注意が必要です。無料のくじ引きでは当たる確率が1%もありませんが、有料アイテムを使うことで確立を挙げられる、といったようなゲームは非常に危険です。
有料くじだからこそ、希少なアイテムが当たる確率は高くなりますが、それはそれなりに金額を支払わなければならない仕組みになっています。一度ハマってしまうと、もっと強くなりたい、もっとアイテムを集めてコレクションしたい、と思わせるように作られています。
そして無料ゲームには一人で遊べるものもありますが、同じゲームをしている人と通信対戦ができるものもあります。
これは非常に人気が高くて、友人同士・家族同士でも始めやすいので、一度ハマってしまうと課金をしすぎて毎月凄い請求が来る、ということもあるみたいです。
例えば、対戦した相手が自分よりも先にゲームを始めていて、対戦してみたら強すぎて勝てないといった場合に、有料アイテムを使うことで強くなれる、または先行していた友人に追いつくことができるといったような例が挙げられます。
この繰り返しによって、有料のアイテムを多く買ってしまい、多額の請求が来るという仕組みになっています。
一度くらい大丈夫と思って気を許してしまうと、次から次へと歯止めがかからなくなるのが人間です。
特に、ゲームは一度ハマりだすと止められない、という習性があるので注意が必要です。
一度の課金にかかるお金は、100~300円と安価なものがほとんどです。
このくらいの金額なら続けてもいいか、と思ってしまう金額です。
価格を設定する側も、一度に数万円という高額な金額に設定をしていませんので、気軽に楽しめる金額にしている場合がほとんどでです。
こうした気軽に始められるゲームだからこそ、子供だけでなく大人も楽しめるように、という設定にしているのです。
コンプガチャ騒動を始めとした無料ゲームの課金事件により、ゲームを提供している会社は年齢によって利用できる、月額料金の上限を設けるなどの対策が行われています。
ただ、それでも年齢を偽ると回避できてしまうものもあり、まだセキュリティや利用者情報登録時の対策が万全とは言えない状況にあります。
そのため無料ゲームを始めるときには、こうした点に注意をして遊ぶことが大切です。
高額課金の被害に遭わないようにするためには?
高額課金の被害に遭わないようにするためには、どうしたらいいのでしょうか?
まずは子供に無料ゲームを遊ばせるときは、保護者もそのゲームがどういった仕組みで課金されるようになっているのか、確認しておくことが大切です。
課金によって発生した金額は、どうやって支払うのかということも、細かくチェックしておきましょう。
最近では、クレジットカードはもちろん、Webマネー、携帯利用決算料と合わせて請求されることもあります。
請求書が届いてから、高額な支払いをすることのないように、どこからどこまでが無料のゲームなのか、有料のゲームをする場合には、どこまでなら使ってもいいのかを事前に話し合っておきましょう。
ルールを作らずに、好きなだけ遊ばせるという習慣に慣れてしまうと、気づいたときには遅かった、というようなこともあります。
特に子供は、何度も同じことを繰り返すことが好きです。
同じゲームを何度やっても飽きないといった性質もありますので、ハマればハマるほど危険です。親がみていないと、子供はどこまでやってしまうか分かりません。
コンプガチャ騒動を教訓にして、まず子供にゲームをさせる場合には、保護者も一緒に遊んだり、どこからどこまでが無料で楽しめるゲームなのか、有料になる場合は一回につきどれくらい課金が発生するのか、アイテムをいくつ集めれば終わりなのかといった具体的なゲーム内容についてしっかり確認しておきましょう。
そうすることで、高額な請求が来ることを防ぐことができます。
まずは親子でよく話し合って、しっかりとしたルール作りから始めてはいかがでしょうか。
ゲームアプリをダウンロードしてアイテム課金をするときは、十分に注意することが大切です。
特に子供に携帯を渡してゲームをさせているときには、保護者がゲーム内容を全く知らずに遊ばせていることもあるでしょう。
最近では、年齢確認も簡単に回避できてしまうものも多く、コンプガチャ騒動のような無料ゲーム課金の高額請求が来ることもあります。
ゲームをさせる場合には、家族でしっかりしたルールを決めて楽しむようにしましょう。